2020年06月09日
三重県津市丸之内のブランドバッグ・時計・ジュエリー・貴金属の
高額買取専門店『ブランドハット』のブログをいつもご覧いただき、ありがとうございます。
いつもは当店の買取実績をブログにアップさせていただいていますが、
今回はちょっとテイストを変えてバーゼルワールドについてご紹介させていただきたいと思います。
世界最大規模の時計・宝飾の新作見本市、BASEL WORLD(バーゼルワールド・バーゼルフェア)。
毎年、3月~4月に1週間かけて開催されている世界最大級の時計宝飾見本市になります。
場所はスイス北西部のドイツとフランスとの国境に接した「バーゼル市」にあり、その歴史はとても古く1917年から100年以上毎年開催され続けている見本市です。
1986年以降は世界中の参加出展を受け入れ世界最大級の見本市となり、現在では会場は4つに分かれ1週間かけて各ブランドが新作を発表し、入場者は正規代理店や小売業者のバイヤー、顧客、メディア関係者、愛好家などを含む1開催あたり8万人以上が来場すると言われており一般の入場も可能となっています。
全盛期には10万人以上の来場者があり1400ものブランドが並ぶ見本市でしたが、2018年にスウォッチグループの撤退や出展料の高騰に伴い出展ブランドの減少などが影響し2018年2019年では8万人の来場者に650程のブランドが出展と減少傾向となっていました。
全盛期に比べれば来場者、出展ブランドと共に減っていますが、それでも凄い規模なことはわかります。
そして話が戻って、1991年に方向性の違いから「リシュモングループ」がバーゼルワールドから撤退しています。
その撤退したリシュモングループのカルティエが音頭をとり翌年の1992年に「SIHH」通称ジュネーブサロンを開催し、バーゼルワールドとジュネーブサロンはスイス2大時計宝飾見本市となっています。
SIHHはスイス西部のジュネーブ市で開催されます。
バーゼルワールドは一般も入場可能なオープンなお祭りの雰囲気ですが、それに対しジュネーブサロンはクローズドな雰囲気で2016年までは一般は入場出来ずバイヤー等の業者のみの入場可能となっており、出展は高級ブランドのみを扱い、ゆったりとしたラグジュアリーな見本市となっています。
※SIHHジュネーブサロンは2020年から名称を変更して「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ」(旧SIHH)となっています。
そんな世界最大規模のバーゼルワールドから主要ブランドが旧SIHHに移籍してしまうという危機に瀕しているのです。
ブランド市場の企業グループとしてはLVMHに次ぐ第二位の規模
A.ランゲ&ゾーネ
ヴァンクリーフ&アーペル
ヴァシュロン・コンスタンタン
ジャガー・ルクルト
IWC
パネライ
カルティエ
などなど
事の経緯は、まず、世界中で猛威を振るっている今回の新型コロナウイルスの影響を鑑み、スイス政府が2020年2月28日に非常事態宣言を発表しました。
この事態を受け、ジュネーブサロンは早々に2020年は中止すると発表したのですが、バーゼルワールドは3月上旬に2020年4月の開催は中止をし、2021年1月に延期をすると発表しました。
後にこのそれぞれの選択が様々な問題を呼び起こし、話をややこしくさせてしまったのかもしれません。
その後、3月下旬にメーカー側であるロレックス、パテックフィリップ、チューダーは2020年の新作発表は無期限で延期すると発表されていました。
ここまでは、「あぁそうか、なるほどね、世界中大変な時だしそりゃそうなるよね。2021年1月のバーゼルワールドで新作発表楽しみにしてますね♪」といった感じだったのですが、、、
そんななか、歴史あるバーゼルワールドについて、2020年4月14日衝撃のニュースが飛び込んできたのです。
それはまさかの、
「ロレックス、パテックフィリップ、シャネル、ショパール、チューダーの5ブランド4社がバーゼルワールドからの撤退」するという衝撃的な表明でした。
あまりのインパクトのあるニュースだっただけに、
「あれ?読み間違えた?」と思い何度も読み直しました。
しかもこれはFHHから公式発表されたこともまた衝撃的でした。
FHHは(Fondation de la Haute Horlogerie、高級時計財団)で、ウオッチ&ワンダー ジュネーブ(WATCHES & WONDERS GENEVA)旧SIHHをスイス・ジュネーブで見本市を主催する高級時計財団であり、ウオッチ&ワンダー ジュネーブはスイス2大時計見本市の1つです。
言わばバーゼルワールドのライバルのような存在である、FHHから公式発表されたのです。
実は海外メディアではチラホラとこのままでは主要ブランドが撤退をしてしまうという記事があったのですが、まさか現実になるとはです。
これにはバーゼルワールド事務局+親会社であるMCHグループは全くの寝耳に水だったようで、その後「MCHグループは、バーゼルワールドのキャンセルに関する声明に驚いています」という声明を出しているのですが、5ブランドの声明に対しての内容だったのですが納得ができる物ではなかったと思います。
原因となったのは主要ブランドとバーゼルワールド事務局+親会社であるMCHグループの間に今まで少しずつ確執があったのですが、今回の2020年の出展料(デボジット)の返還を巡っての対立や延期の開催時期についての流れが主要ブランドは許せなかったのでしょう。
あとは、費用対効果が見込みにくくなってきていたことも原因かと思います。
今の時代、自社HPやSNSなどで新作発表も簡単に出来る時代に、どんどん高くなる多額の出展料(年間で小さなブースで数千万円、メインフロアは数億円とも言われています)に対し来場者数も減り費用対効果は低くなる一方、デボジットの返還もまともにされないとなるとそれは致し方ない事なのかと思います。
しかもFHHは今回バーゼルワールドから撤退し新たに開催する見本市の名称はまだ決まっていないが、ウオッチ&ワンダー ジュネーブ(旧SIHH)とは別だが同時期、同会場で見本市を開催すると発表しています。
5ブランド4社は完全に用意周到に準備をしています。
そしてこの事態を受け、5ブランドの撤退表明から3日後の4月17日には、LVMHグループのタグホイヤー、ウブロ、ゼニス、ブルガリが「バーゼルワールド2021」の不参加を表明しました。
これは事実上の撤退だと思われます。
これでは「逆にバーゼルワールドに残っているブランドは何?」という話にもなってきます。
旧SIHHには、世界5大時計ブランドのうちパテック・フィリップ、Aランゲ&ゾーネ、ヴァシュロン・コンスタンタンの3ブランドが揃うことになり、プラスそこにロレックスも加わるとこになり旧SIHHはかなり有利になることになります。
※世界5大ブランドの残りの2ブランドのオーデマ・ピゲ、ブレゲは今どこの見本市にも属していません。
パテックが旧SIHHに移るを言ったからロレックスも移ることになったのか、それともたまたま偶然一緒のタイミングでパテックもロレックスも移る事を判断したのかはわかりませんが、ロレックスとしてはパテックの居ないバーゼルワールドなら世界5大ブランドのうち3大ブランドが揃った旧SIHHに移った方がメリットが大きい事は確かだと思います。
この今回の出来事によって100年以上もの歴史を持つ世界最大級の時計見本市である「バーゼルワールド」が存亡の危機に陥ってしまいました。
だからといって旧SIHHは安泰かと言うとそれもまた微妙な話であって、オーデマ・ピゲ、リシャール・ミルは2019年を最後に撤退しています。
今の時代、前述した通り自社HPやSNSがありコストを抑えて効果の高い宣伝が出来る時代に、多額のコストをかけて場所を借りて新作発表を行うという時代ではなくなってきているのだと思います。
ロレックス
パテックフィリップ
シャネル
ショパール
チューダー
※事実上の撤退???
タグホイヤー
ウブロ
ゼニス
ブルガリ
スウォッチグループ
(オメガ、ブレゲ、ブランパン、ハリー・ウィンストンなど)
ブライトリング
セイコー
カシオ
2020年5月7日、バーゼルワールド事務局の親会社であるMCHグループが新たな声明をリリースしました。
今回5ブランド+LVMHグループがバーゼルワールドから撤退の原因の1つとなった大きな理由が延期となっとバーゼルワールド2020のデボジット返還問題。
当初ブランド側はデボジットの全額返還を要求していたのですが、バーゼルワールド側は延期のバーゼルワールド2021 1月開催から撤退の出展社にはデボジットは一切返還しないという内容でした。
しかし、事務局側の新たな提案により、ブランド側と合意したという内容で、それはビッグブランドのデボジットの60%、他のブランドは65%のデボジット返還するという内容だったそうです。
事務局はバーゼルワールド2020の既に徴収したデボジットの90%を消費したという噂もあり、ブランド側は全額返還に拘らずにこの辺で妥協しておく方が賢明な判断ということだと思います。
そして撤退の大きな理由となった2つ目の理由の時期。
延期のバーゼルワールド2021 1月開催も撤回という形で収まることになりました。
私たちのように時計を扱う業者や、時計ファンの方達は毎年3月4月になると、今年のバーゼルワールドでのロレックスの新作モデルはどんなモデルが現れるのかなど、インターネットの情報や紙媒体の情報を毎年楽しみしていましたが、これからはバーゼルワールドでの発表はないと思うと凄く複雑な気持ちにもなります。
今やネットでいつでも情報が発信でき拡散される時代に、高額なコストをかけて見本市に出展する見本市の意義とは一体何なのでしょうか。
夏頃にMCHグループから新しいアナウンスあるそうですが、主要ブランドを失ってしまったバーゼルワールドが今後どのように変わっていくのか注目していきたいと思います。
当店では「ロレックス」はもちろんのこと、「パテックフィリップ」や「オメガ」「パネライ」など他の高級ブランドもご満足いただける金額を提示出来るよう日々努めています。
高価買取りのポイントはお品物の最新相場と、コンディション、そしてお店選びです。
当社のキャッチコピーである、
「まじめな査定、高額買取」
「一番最後にご来店ください。」 の通り、
一番最後にご来店いただいても間違いのないよう、地域一番はもちろんのこと、
都市部の有名店にも負けない高価買取金額をご提示できるよう日々努めています。
大切なお時計を、CWC ウオッチコーディネーター 認定資格者であるバイヤーが、最新の相場をもとに1点1点丁寧に査定をさせていただきますので、お使いになられていないブランド時計がありましたら、是非一度『ブランドハット』にご相談ください。
(一社)日本時計輸入協会認定
CWC ウオッチコーディネーター
寺田 誠
1979年 三重県出身
ブランド品貴金属の接客販売員やバイヤーを経験し店長その後役員を務め、現在はBrand Hutにて業務全般に従事する。
時計業界歴17年
ロレックスの買取実績はこちらから→ロレックスの買取実績